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「World of Warcraft(WoW)」Classicと通常のWoWの違い

※2021年「World of Warcraft: Burning Crusade Classic」リリース
※2022年「World of Warcraft: Wrath of the Lich King Classic」リリース


[2020/10/17追記] Classicリリースから1年以上が経過し、通常のWoWはもうじき最新拡張「Shadowlands」がリリースされる時期となりました。当初からClassicをプレイしていた人達は、すでに引退するかエンドコンテンツ(レベル上限に達した人向けの高難易度コンテンツ)に集中しているかで、低レベル帯からは人が減って"ひと頃の熱気"が失われる時期であり、今改めてどっちを始めるのがよいかと問われたならば、レベル上限が下がって先行のプレイヤーに追いつきやすくなった通常のWoWに軍配をあげるべきだろうと思います。もっとも、一緒に遊んでくれる友人が2〜3人いるならば、Classicも選択肢として決して悪くないのではないでしょうか?

新拡張「Shadowlands」紹介記事(2019/11/04)
http://www.dgfreak.com/.../20191104shadowlands.html
新拡張「Shadowlands」で何が変わったか?(2020/10/17)
http://www.dgfreak.com/.../wow-shadowlands.html



WoW Classic」と通常の「World of Warcraft(WoW)」の2つの選択肢があって、どちらをプレイすればよいのか。そもそもClassicで遊べる範囲でどんな違いがあるのかを、思いつくままにまとめてみました。

1.地形の変化

3番目の拡張「Cataclysm」でエリアによっては地形が大きく変化し、今も変わったままです。そういう所ではクエストにもかなり変更が入っています。たぶんベテランプレイヤーでClassicをやりたがっている人の何割かは、どこそこの昔の姿をもう一度見てみたいという思いからでしょう。

2.ベテラン勢の増加・人口の偏りに配慮した作りへ

長く続いているオンラインゲームの宿命として、プレイヤー人口の多くをベテランが占めていってしまうので、それに向けた配慮は当然必要となります。
低レベル帯が過疎化して協力プレイが難しくなるので、複数プレイヤー推奨のクエストは一人でもクリアできるように改変。他人の協力いらないから気楽という見方をする人もいるでしょうけど、オンラインゲームなんだから基本はソロでも、たまには通りすがりの人と組んでやりたいと、少なくとも私は思います。
低レベル帯で人がいても、(自分含めて)ベテランの何人目かの育成中キャラである可能性が高く、効率的にレベルアップして早く先へ進む事が優先、知らないプレイヤー間でコミュニケーションする機会は滅多にありません。他人に協力を請う事態など互いにまずありませんから。
インスタンスダンジョン(*)では手間がかからないよう、クエストをくれるNPC達が入口に並んで待っており(暇か!!)、昔みたいにエリア回ってクエスト集めの必要なし。何かアイテムがないとダンジョンの先へ進めないといった仕掛けは撤廃するなど実に効率的、でも味気ない。なお、通常のWoWでインスタンスに初めて入ったら、たぶん周囲はベテランだらけなので、マラソンのごとく他の人にくっついて走るだけで必死で、何が何だかわからないうちにダンジョンクリアしちゃったという思いを抱くでしょう。
(*)パーティーでの攻略前提で、パーティー毎にコピーが生成されて独占プレイできるダンジョン・略してインスタンス

3.スケーリング機能の追加

比較的最近追加された機能で、完全に連動する訳ではありませんが、今いるエリアのモンスターのレベルが、自キャラと同程度まで自動調整される機能です。以前はエリアによってモンスターのレベル帯は固定。モンスターを倒して経験値を稼ぐには、今の自分のレベルにあったエリアを選ぶしかありませんでした。
これはベテランにとってはある程度ありがたい機能です。新キャラを育てる時に、できればこれまでやった事のないエリアでやりたい。そういう時にレベルが固定なら選択肢が限られてきますが、レベル可変なら選択肢がぐっと拡がりますから。
一方で初心者にとっては、うっかり高レベル帯に紛れ込んで瞬殺されそうなドキドキ、以前クリアしたエリアに行った時、苦労したモンスターを一撃で倒して成長を実感する喜び。それらを味わいにくくなるので、RPGならではの楽しみが薄れてしまっている気がします。

4.個性がなくなっていくクラス

各クラスの特徴が色々単純化/均質化してきています。同じタンク・同じヒーラー職でも、段々クラス毎の違いや個性が少なくなる方向へ改変されて、短所も長所も少ない準優等生ばかりになってきている感じ。「オレのクラスでアレができないのは不公平だ!!」というようなクレームに対処するうちにそういう方向に進むのは仕方ないでしょうし、差異が大きければ、クラス間の調整を取るのも難しいでしょうし、仕方ないといえば仕方ない事です。

細かい部分では、たとえば昔のRogueではサブウェポンとしてライフルが使えました。Rogueのメインウエポンはダガーなどの近接武器であって、ライフルは威力は低いしいらないといえばいらないのですが、Engineeringのスキルを使い、自分で作ったライフルで逃げた敵のとどめを刺すといった自己満足プレイができなくなったのはちょっと寂しい。ライフル使うアニメーション用意したりだとか作る方も大変なんでしょうし、重要度低いものはなくしたいというのもわかるんですけどね...。
後はカギ開けのスキルは場数こなして経験値稼ぐ方式から、レベルアップすると勝手に上達するように変わり、楽は楽ですがどうも味気ないetc.etc...

Hunterなどの一部クラスで、弾丸などの消耗アイテムがバッグを占有して管理が大変だったのが、いらなくなったといった変更もありますが、こういうのはリアリティの面ではともかく、プレイヤーからすればありがたい改変なんでしょう。

5.強さバランスの崩れ

拡張毎に最大レベルが上昇し、各クラスに新スキルが追加になりと複雑化していくうち、モンスターとプレイヤーの強さバランスが崩れてきている感じです。おそらく最新の拡張を基準にバランス調整をしているのでしょうけど、その分Classicエリアに限らず旧エリアの調整が甘くなり、以前ならば同時に2モンスター相手に戦うのが精一杯だった所が、3体相手で楽勝といった事が起きたりし、時によっては敵が弱すぎて面白くないという印象を抱く事もあります(スケーリングが導入されてから崩れが緩和された気もしますが、違和感は拭えないまま)。Classicでは昔の強さバランスが問題なく再現できていれば、そういう違和感は感じないですむはず。

(2020/11/1追記)最近プレイした印象では、大幅にバランスが崩れているエリアは調整されてなくなったような感じ。ただ、一般の雑魚モンスターに関してはやはり昔の方が強かったです。

【中間まとめ】昔はよかったとあえて言ってしまう

以上をまとめると、どっちが楽かと聞かれると、Classicより今のWoWのほうが楽でゲーム攻略もスムーズでしょう。ただしその引き換えに単なる作業感が増して、異世界で冒険してるんじゃなく、経験値を稼ぐ単純作業をしてるような感じで、「没入感」・「やりがい」・「達成感」といった点ではむしろ劣化してしまったという印象はどうしてもあります。
それに加えて、さっさと先へ進みたいベテランプレイヤーが目立つようになり、レベルアップの過程をみんなで楽しみたいといううぶなプレイヤーが希少になってしまっているのが、成熟したオンラインRPGゲーム共通の問題としてあげられます。
Classicがスタートする事で、昔ほどではなくてもある程度はご新規の人が取り込めて、ベテランの人達も初心に戻って過去のAzerothをじっくりと冒険する、それが長い期間は続かなくても、多少の間でもそういう古き良き時代が帰ってくる事を期待したいものです。

以降は今のWoWのほうが優れてるよと言える点。

6.Classicでは作成できる種族・クラスが少ない

WoW登場以降、拡張で種族やクラスがいくつか追加になっていますが、Classicでは当然使えません。具体的には、種族ではAllianceサイドの場合Draenei/Worgen。HordeでBlood Elf/Goblin。また、両陣営共通でPandarenが使えません。また、最近の拡張ではレベルを上げてから一定条件を満たして使えるAllied Raceがあり、これも使えません。
クラスではMonkが追加された他、最初のキャラのレベルを上げてからでないと選択できないクラスとして、Death knight/Demon hunterが追加されています。また、Classicでは種族・クラスの組み合わせの選択幅が狭いです。

公式の種族一覧(英語)
公式のクラス一覧(英語)

7.Classicではフライングマウントが使えない

空を自由に飛んで移動できる個人用フライングマウント(最初の拡張で追加)。どのみちレベル60まで使えないので、仕方ないといえば仕方ないです。地上マウントは使えますし、公共の空飛ぶ移動手段は所々にあるのですが、フライングマウントの便利さ・気持ちよさにはかないません。

8.Classicではダンジョンファインダーが使えない

インスタンスダンジョンやRaidなどにパーティーで挑む時、昔はチャットで何度も募集をかけて人集めするのが一般的でした。今はダンジョンファインダーにこのダンジョンにこの役割で参加したいよとキューを入れておけば、自動でマッチングしてくれます(ただし場合によっては延々と待たされる)。さらに頭数が揃った時点でダンジョン入口にテレポートさせてくれます。
もっとも、実際これは楽は楽でありがたい機能なのですが、あまりに便利すぎて異世界冒険のリアリティを欠く感じと、バランスの取れたきちっとしたパーティーになりすぎて、その分難易度が下がってつまらない印象があります。チャットで募集していた頃は、なかなか人数揃わないから1人欠員で行ってみるかとか、ヒーラーいないけど、ヒール呪文使える人が代理でがんばってよとか、苦労が多い分パーティーに連帯感が生まれて、クリアできた時の感動もひとしおだった気がします。
今はほとんど無言で次々敵を倒して、ラスボス倒したらそのまま流れ解散という感じ。機械的にマッチングされるのに加えて、今は異なるサーバーのプレイヤーとパーティーを組めるようになったのが"行きずりの相手"感を増しているのもあって、便利にはなったけど、大切な何かをなくしてしまったなあという残念感があります。

【まとめ:それで結局どっちがよい?】

以上から、初めての人がどちらを選ぶべきかと聞かれたら、個人的な主観ではやはりClassicだよと答えます。もっともレベルアップの過程を楽しみたいのではなく、さっさと最大レベルまで上げて、高難易度ダンジョンなどのエンドコンテンツを楽しみたいのであれば、通常のWoWを選んだほうがベターではないでしょうか?最新の拡張パックを買ったなら、1キャラを最新の拡張ですぐ遊べるレベルまでブーストできる無料サービスももらえますし。(※)

((※)最近の拡張パックでは、レベルブーストは必ずしも付いてこなくなりました。おまけの色々付いた豪華版的なものには付いている場合もあります[2021.11.28追記])

ただし、Classicを選ぶ場合の懸念として、60まで上げてやることをやり尽くした後はどうすればよいのか?それに関してはまだ情報がありません。可能性としては、
(1)そこで永遠に打ち止め
(2)Classic版の拡張パックが出て続きを遊べる
(3)通常のサーバーへキャラを転送し、続きを遊べる
(4)Classicのままさらにレベルアップできるようになり、なんらかの高難易度コンテンツが追加される
の4つですが、一番可能性が高いのは(3)。(2)はClassicが大成功すればないではないが可能性は?という感じ。ただし、(3)が実現してもたぶんかなり先の話で有料サービスとなる可能性があるというのは心に留めておいてください。(4)は面白いけど、夢物語レベル?

なんだか現行のWoWの悪口ばかり並べたような内容になってしまいましたが、むしろWoWを愛すればこその不満だと思ってください。今はフルタイムでの課金はせず、時々思い出したようにプレイするだけですが、それでも無性にやりたくなる時があって離れられない魔性の作品。みなさんもまずはClassicでさわりだけでも体験してみませんか(悪魔の誘い)?

※[追記]PVE/PVPサーバーの違いがなくなった

一点大きな変更を書き忘れていたので追記します。昔はサーバーにPVEサーバー/PVPサーバーという大きな区分がありました。PVEはモンスターとの戦闘がメインで、Alliance/Hordeの対立陣営のプレイヤー間でも、PVPフラグをオンにしないと戦闘はできません。ただし、PVEサーバーでもプレイヤーと戦うためのコンテンツは色々用意されています。
PVPサーバーでは、対立陣営のプレイヤー間でいつでも戦闘可能で、モンスター相手にクエストを進めているプレイヤーにいきなり襲いかかって殺すといった行為も可能です。
この2つのサーバーの区別が最近なくなり、今は通常では戦闘不可、ただし自陣営の街であらかじめフラグを立てると、同じくフラグを立てた敵陣営プレイヤーとの間で戦闘が可能になり、その場合経験値にボーナスが付くなどの特典があります。

World of Warcraft(WoW)日本語情報まとめ

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