本当に面白いの？

本作は正編のストーリーではないだけに、主人公達は無名。しかし、おなじみのキャラクター達が多数登場します。ダース・ヴェイダー卿はCMにも出ていましたが、それ以外にも新旧各3部作は一通り見てるよ程度の人でも必ずわかるキャラが何人も出ていますし、コアなファンならばもっと多くの意外なキャラ達の出演に気付くでしょう。もちろん人物だけでなく、メカを始めちょっとした小道具やセリフに至るまで、シリーズのファンを喜ばせる要素が満載です。
また、ストーリー的には地味めの展開にならざるをえないだろうなと思っていましたが、予想に反してさまざまな場所を舞台に派手な戦闘シーンが用意されているので、その点もご心配なく。

泣けるスター・ウォーズ

主人公のジン・アーソは、有能な技術者である父がデス・スター建造のキーマンとして強引に連行されたため、幼い頃より犯罪行為にも手を染めながら生き抜くしかなかった不幸な生い立ちの女性。演じるのは、「インフェルノ」(「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの3本目)などに出演しているフェリシティ・ジョーンズ。あまりよく知らない女優さんでしたが、男前な役が似合う方です。その他個性的な仲間達が脇を固め、不可能とも思える危険なミッションに挑戦します。
これは運命に引き裂かれた父と娘の辛苦の物語であり、色々な過去や思いを背負った戦士達が、達成困難な任務に命を賭して挑む冒険の物語であり、シリーズをリアルタイムで見てきた年代の人は、涙腺崩壊必至です。

お楽しみはこれから

唯一難点をあげるとすれば、前半は複数の星々を舞台に複数の登場人物が登場しながら話が駆け足で進んでいくので、初見では理解しにくい部分があるのと、最近の映画は冒頭にいきなり派手なシーンを用意するなどして観客を飽きさせない、いわゆる「掴みはOK」的な構成のものが少なくない中、後半のお楽しみに向けてじわじわと盛り上げていくオーソドックスな作りなので、シリーズに対する思い入れが相対的に低い人は特に、前半をつまらなく感じるかもしれません。しかし、クライマックスは期待を裏切りませんのでご辛抱のほどを。

SWファンならば是非劇場で

個人的には、過去に小説やアニメで出ているスター・ウォーズのスピンオフ系の作品は全然評価していなかったので、本作には正直期待していなかったのですが、予想以上の出来栄えでうれしい驚きでした。「スター・ウォーズは好きだけど、スピンオフまで全部チェックしてらんねえよ」とスルーの予定だった人にも、是非劇場まで足を運んでもらいたい作品です。

「ローグ・ワン」公式サイト
http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html