5分でわかるWorld of Warcraft (WoW)の歴史

ゲームのバックボーンとなるWarcraft世界の歴史(ゲームが始まる前の部分)を、はしょれる部分は極力はしょりつつも、現在進行中のゲームのストーリー理解に役立ちそうな情報を補足しつつ、5分程度で読める内容にまとめてみました。
さらに詳しくは、「World of Warcraft(WoW)の人名・用語集」もどうぞ。

※新拡張「Dragonflight」向けに直近のストーリーをまとめました(2022/10/26)。

ストーリーの基礎の基礎

Humanを中心とするAlliance<同盟:人間に近い外見の種族が多い>とOrcを中心とするHorde<軍団:ワイルドな外見の種族が多い>の2大陣営が対立するAzerothと呼ばれる世界で、プレイヤーはそのどちらかに所属する冒険者となり、各地を巡って世界に仇なすさまざまな勢力と戦っていきます。
約2年毎に出る拡張は、全宇宙を蹂躙しようとする異世界からの侵略者Burning Legion<灼熱の軍団・多くはDemon系種族>や、太古の昔に創造主Titan<巨人族>によって封印されたOld Gods<オールドゴッズ:古き神々>などによってもたらされる世界規模の災厄に立ち向かうという王道的(ベタ)な内容です。
元祖の「Warcraft」(シミュレーションゲーム)発売から数えて20年以上続く歴史の厚みは伊達ではなく、バックグラウンドに用意されているストーリーは膨大なボリュームで、設定が用意されたキャラクターは数知れず。今はすでに初期の登場人物の孫の世代の物語に移行しつつあり、その壮大さはもはや大河ドラマ並みといっていいレベルです。

For Azeroth - 25 Years of Warcraft(Warcraftシリーズ25周年として新旧名場面をまとめた動画)
https://www.youtube.com/watch?v=jfBAns2gzNg

はるかな昔

太古の昔、創造主Titan<タイタン:巨人族>は全宇宙を巡り、生命が芽吹くいくつもの世界を創造していた。一方でTwisting Nether<ツイスティングネザー:ねじれた冥界>と呼ばれる異次元世界からは絶えずDemon<デーモン:悪魔族>達が侵入し世界を脅かしていたが、Titanの偉大な戦士Sargeras<サーゲラス>による守りはいささかの揺るぎもないように思われた。しかし、邪悪なDemon達との終わりのない戦いのうちにSargerasの中に徐々に狂気が芽生え始め、ついにはTitanと袂を分かって自らDemon達の王となり、Titanの世界創造を否定してそのすべてを根絶やしにする事を決意する。

1万年前にAzeroth<アゼロス:Titanが創造した世界の一つで物語の舞台となる惑星>では最古の種族の一つNight Elf<ナイトエルフ:後のAlliance側種族の一つ>が繁栄していたが、彼らが魔法を発見してそれを濫用した事がDemon達の関心を惹きつけてしまう。そしてSargerasが率いるBurning Legion<バーニング・リージョン:灼熱の軍団>がAzerothへの最初の侵攻を画策し、Elfの女王であるAzshara(アズジャラ(*))を籠絡してその手引きで侵攻を開始するが、Azerothに住まう種族達の必死の抵抗により失敗。しかし、戦いによって生じた巨大なエネルギーの余波により、元はAzerothの一つの巨大な大陸であったKalimdor<カリムドー>は、西のKalimdorと東のEastern Kingdoms<イースタン・キングダムズ>へと分裂。
(*)読みの表記を"シャ"から"ジャ"に修正

Night ElfのリーダーMalfurion<マルフュリオン>の弟・Illidan<イリダン>は魔法の持つ魅力にとりつかれ、魔法の使用がDemonを呼び寄せた原因だとしてその放棄を主張する兄と対立し、裏切りの末に地下牢で永遠の虜囚の身となる。また、魔法を信奉するその他のElf達は対立の結果Kalimdorを去り、東の大陸Eastern Kingdomsへ渡って王国を築きHigh Elf<ハイエルフ>を名乗る。

第1次〜2次大戦(ゲームWarcraft I〜IIの時代)

それから長い長い年月の後、LegionはAzerothの近くに存在する異世界であるDraenor<ドラノア:6番目の拡張の舞台>に住むOrc<オーク>種族に目を付けて呪いをかけ、Azeroth再侵攻の先兵として利用する事を画策(HumanとOrcの対立の始まり)。呪いの影響で、勇猛で誇り高いOrcは血に飢えた好戦的な種族と化す。

Draenorからの時空を結ぶポータルを通ってOrcの軍団がAzerothのEastern Kingdoms南東部より侵入。Eastern Kingdomsで7つの王国を築いて繁栄していたHumanとOrcとの間で第一次大戦が勃発。下等な獣と侮っていたOrcの大攻勢によりStormwind<ストームウインド>王国の王都が陥落、王も死亡(以前の映画のストーリーはこの一次大戦の所)。

撤退を余儀なくされたHumanは、Dwarf<ドワーフ>・High Elfなど諸種族に助力を依頼し、Alliance<アライアンス:同盟>を結成、OrcもTroll<トロール>などを味方に引き入れHorde<ホード:軍団>を組織し、体制を整えた両軍によって第二次大戦が勃発。戦いが進むにつれHordeの優勢が明らかになってくるが、Hordeの指導者の一人・魔術師のGul'dan<グルダン>が突如として軍勢の半ばを引き抜いて戦線を離脱し、強力な力が眠るとされるSargerasの墓所<かつてSargerasの化身(Sargerasそのものではない)がAzerothに来襲した際、それを倒し封印した場所>に向かう。自らが力を欲するがための利己的な行動であったが、墓所を暴いたとたんDemonの群れに襲われて無残に死亡。このHordeの内部分裂を境に形勢は逆転し、大きな犠牲を払いながらもついにHordeを撃退する事に成功。

一方、異世界を結んだポータルが不安定となり、そのエネルギーでDraenorの大地が大崩壊、Draenorに渡りOrcと戦っていた者達がポータルを破壊し、Azerothは辛うじて巻き添えを免れる。Draenorの残骸はOutland<アウトランド:最初の拡張の舞台>と呼ばれる荒涼とした異世界となり、Orc達はAzerothに取り残され多くは捕虜となる。

Scourgeの侵攻・王国の崩壊(第3次大戦/この頃よりゲームWarcraft IIIの時代)

2度の大戦より月日が流れ、幼い頃Humanに拾われその奴隷となった若きOrc・Thrall<スロール>達がDemonの呪いを打ち破り、虜囚となったOrc達を解放し、新天地を求めて西の大陸Kalimdorへ移住し、Kalimdor中部でOrcの国家を建設。ThrallはHorde勢力のリーダー・Warchief<ウォーチーフ>となる。Alliance陣営の中にもOrcが本来は野蛮な種族ではないと知り、種族を越えた友情を結ぶ者も現れるが、同時に紛争の火種も数多く生まれる。

かつてLegionがOrc支配のための傀儡として最初に選んだOrcのシャーマン・Ner'zhul<ネルズール:Gul'danの師>は逃亡を試みた後、Legionに裏切り者として捕らえられ拷問を受け、再度Legionのために働く事を誓わされる。その魂は北の大陸Northrend<ノースレンド:2番目の拡張の舞台>の氷塊の中へ幽閉され、不死者の王・Lich King<リッチキング>となり、その力で不死の怪物からなる軍団Scourge<スカージ:災厄の意>を組織しながら、徐々に侵攻を開始。

Eastern Kingdoms北寄りに位置するHumanの王国Lordaeron<ローデロン>のArthas<アーサス>王子達がこれに立ち向かうが、若さと正義感による激しい怒りを巧みに操られ徐々に理性を失っていき、彼が復讐心にとらわれ強力な力を秘めた魔剣Frostmourne<フロストモーン>を手にした時、その呪いによりLich Kingの忠実な僕・Death Knight<デスナイト>と化す。本国に帰還すると父王を自ら手にかけ、Lordaeron王国は崩壊(元々7つあったHumanの王国の内、現存するのはStormwindのみ)。

Death Knight:Arthas率いる不死者の軍団はさらにEastern Kingdoms北部のHigh Elfの王国を攻め滅ぼし、最後まで抵抗した勇猛な女レンジャー隊長Sylvanas Windrunner<シルバナス・ウインドランナー>を呪いにより不死者へと変えて従属させる。なお、High Elfの生き残りはその後Blood Elf<ブラッドエルフ>と名を変え、Humanとの対立の末Allianceを去ってHordeに加盟する。

Arthasらの手引きにより、ついにLegionの支配者Sargerasの強力な2人の副官の1人・Archimonde<アーキモンド>がポータルを抜けてAzerothに出現。この最大の危機にAzerothのすべての勢力が結集し、その決死の抵抗により、多くの犠牲を払いながらこれを撃退(Mount Hyjal<ハイジャル山>の戦い)。

一方この頃Legion対抗の戦力となる事を期待して、Night ElfはIllidanを1万年の長い幽閉から解放する。しかしDemonの強力な力を取り込み、姿まで悪魔のそれに変貌するなどの身勝手な所業により、結局は仲間と対立し追われるはめに。また、Sargerasの副官のもう1人Kil'jaeden<キルジェイダン>はかねてLich Kingの忠誠心を疑い、その軍団が力を付けすぎた事を危惧していたが、Illidanに目を付け、彼を脅してLich Kingを倒させようとするものの、Lich Kingに大きなダメージを与えるにとどまる。

しかしこれによりLich Kingの支配力が弱体化したため、Sylvanas達不死者の一部が自我を取り戻してLich Kingに反旗を翻す。そしてLordaeron王国首都の廃墟を占拠して根拠地(Undercity<アンダーシティ>)とし、Sylvanasをリーダーとして、自らをForsaken<フォーセイクン:見捨てられし者達/Horde側種族の一つ>と名乗る。

Death Knight:Arthasは弱りつつあるLich Kingの呼びかけで北の大陸Northrendに渡り、立ち塞がるIllidanを下した後、氷塊に幽閉されたLich King(Ner'zhul)の魂と融合し、Lich Kingそのものに。なお、IllidanはOutlandに逃れ、Legionの攻撃に備えて支配地を拡げ、徐々に近隣勢力との軋轢を増していく事となる。

World of Warcraftにおける冒険の始まり

以上がWoWのゲームが始まった時点での大まかな歴史の流れです。Eastern Kingdoms北寄りの地方は、Scourgeの不死の怪物どもが占拠し、その地を回復しようとする人々との戦いが続いています。それ以外にもさまざまな場所で凶悪なモンスターやDemon種族、その他種々の敵対的な勢力が跋扈し、また、各地方でAlliance/Horde間を始めとした種族間の対立が続くなど問題は山積み。また、異世界OutlandではIllidan一派が勢力を広げ(最初の拡張のラスボス)、北の大陸NorthrendではLich King:Arthas(2番目の拡張のラスボス)が策謀を巡らせています。こうした状況の中でプレイヤーはAlliance/Hordeいずれかに属する冒険者となって各地を旅して回り、世界を脅かす脅威に立ち向かう力を身につけなければなりません...。

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