夏への扉
山下達郎(竹内まりあの旦那)の初期の作品に「夏への扉」という名曲があります。この曲はロバート・A・ハインラインというSF小説の大御所の同名のSF小説をモチーフにしたものですが、歌詞の一節には小説の登場人物の名前が歌い込まれています。
そしてピートと連れ立って
君を迎えに戻るだろう
だからリッキー・ティッキー・ティビー
その日までおやすみ
最初この曲を聞いた時、小説の存在は知りませんでしたので、歌詞の意味が全然わかりませんでした。後になって小説の存在を知り、早速買って読んでみました。
一言で内容を説明すれば、「タイムトリップ」ものです。ハインラインは1960~70年代頃中心に活躍したアメリカのSF作家で、この小説も古き良き時代のアメリカのテイストにあふれ、「科学技術が進歩する事で、社会は発展し、未来はより良くなる」という楽観主義に彩られています。
一方で今の時代に生きる我々は、公害問題を始め、科学がもたらした負の一面を知っていますし、昔の世代の人間程には未来を楽観的に考えることはできないでしょう。
でも、いかに我々が知識を深め、技術を進歩させ、「創造主」の力の一端に触れた気になったところで、46億年かけて自然と生命を生み出してきた地球という大先輩からすれば、我々人類などいつまで経ってもほんのひよっこに過ぎない、という謙虚ささえ忘れずにいられたならば、科学が生み出す未来もさほど捨てたものにはならないと思うのです。
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コメント (2)
夏への扉は、名作SFですね〜
古き良きSFって感じですね。
私は、十数年前に読んだのですがそのころの表紙と今でも同じなのにびっくり(^^; 微妙にデザインや色が変わってるような気もしますが、同じですよ〜。
おっしゃるように最近はSF小説でも未来を楽観的に捉えるってのは難しくなってきてますよね。
投稿者: マリニア | 2006年08月14日 19:36
日時: 2006年08月14日 19:36
夏への扉で発明家の主人公が作る発明品の1つが、「機械式自動製図機」みたいな、今の世の中ではみんなコンピュータでCADソフト使ってやっている代物なんですよね。そのあたりに時代を感じさせます。
投稿者: さらだ | 2006年08月15日 08:00
日時: 2006年08月15日 08:00