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その後の「WILLCOM D4」

昨日発表されたウィルコム社製のWindows Vista搭載モバイル端末「WILLCOM D4」について、その後色々情報が出てきたので、気がついた事をいくつか。

WILLCOM D4スペシャルWEBサイトへ

・スマートフォンではありません

Vistaを搭載しながら音声通話もできるので、どういう位置づけの製品なのかと思っていたら、リリース文をよく読んでみると、スマートフォンという表現は1カ所もなく、「インテル Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー搭載の通信端末」としか書いてありません。
また、発表会での社長のコメントで「今回のD4は、電話/通信カードからスマートフォンを経た、“Ultra Mobile”という新しいジャンル」とあるように、音声通話機能は備えるもののスマートフォンとして売っていく製品ではなさそうです。

・電話機として使い物になるのか?

携帯電話として見た時は、マイクが付いていないので、ヘッドセットを使わないと通話はできません。もっとも携帯電話と比べるとかなり大きいので、これを耳にあてて電話する気にはならないと思いますが。
次に電源を切っている時、休止・スリープ状態の時には電話着信ができません。また、バイブレーション機能も備えていませんので、普段使いの携帯電話機としてはかなり無理があります。
結局の所、音声通話やデータ通信機能を一つのモジュールに集約したW-SIMを使っているため、たまたま音声通話機能が付いてきただけであって、音声通話機能自体は「おまけ」と考えたほうがよさそうです。
(注:メールについては、一定時間毎に自動起動させる事で、メール着信チェックを行う事は可能です)

・無印W-ZERO3ユーザはがっかり?

これはそうかもしれません。初代W-ZERO3以降の[es]の付かない無印W-ZERO3ユーザで、後継機を待っていた人にとっては、今回のは従来のシリーズとはかなり毛色の違う製品ですし、あてが外れたと思っている人はかなりいらっしゃるかもしれません。
また、小型で普通の携帯電話に近い[es]シリーズは今後も製品として継続していくでしょうが、今回の「D4」が一定の成功を収めれば、[es]シリーズと「D4」系の2系統の製品に集約し、無印W-ZERO3シリーズは終息になってしまう可能性もありますので、無印W-ZERO3ユーザにとっては悩ましい日々が続きそうです。

・結論

「WILLCOM D4」はスマートフォンではなく、W-ZERO3シリーズの新機種でもなく、「Windows Vistaを搭載し、データ通信機能を標準装備した超小型パソコン(おまけで電話機能付き)」であり、スマートフォンの新機種を待っていた人には期待はずれだったかもしれませんが、一方でこのサイズで家のパソコンと同じソフトを動かせるという所に魅力を感じる人も少なくないでしょう。
これがどの程度の成功を収めるかは、たとえばキーボードの打ちやすさ、ポインティングデバイスの使いやすさ、画面の見やすさ、実行速度、バッテリーの持ち具合といったマシンの仕上がり具合に大きく左右されるのではないかと思います。
もちろん、このサイズのマシンにフルサイズのWindowsパソコンと同等の性能を求めても仕方ありませんが、上に並べたような項目が実用的な水準でまとまっていたならば、新ジャンルの製品として成功を収める可能性は十二分にあるのではないでしょうか?早く手に取って試してみたいと久々に思わせてくれるモバイル端末です。

「WILLCOM D4」の詳細スペック
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/04/14/d4spec/
ウィルコムのWindows Vistaを採用した通信端末「WILLCOM D4」発表会,QアンドAから
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080414/298989/?ST=network
デバイスマネージャで見る「WILLCOM D4」
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0804/15/news008.html
WILLCOM D4に対応したGPSモジュールなど周辺機器が登場
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/39448.html

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