« iPhone発売直前(その1) | メイン | ペンタックスよりエントリデジタル一眼「K100D Super」 »

iPhone発売直前(その2)

昨日の続き。

さて、iPhoneという製品を開発するにあたって、アップルはなぜキーボード(それどころかスタイラスまでも)を採用しなかったのでしょうか?

一つはジョブズ氏自身が発表の際に語っていたように、キーボードを搭載したスマートフォンは「スマートでない」からというジョブズ氏の美意識でしょう。もう一つは、キーボードを搭載しない事で、従来のものとは一線を画したまったく新しい製品であることをアピールするために、あえてキーボードを外してみせる必要があったのではないかと思います。

クリックで拡大クリックで拡大

ただ、一方で文字入力を行うにはやはりハードウェアキーボードのほうが有利な事は認識しているはずで、また、キーボードを搭載するのに技術的な問題は何もないはずですし、将来3世代目くらいの製品で、キーボードを搭載したバリエーションが登場する可能性は十分あります。
あるいはキーボードを標準搭載する前に、本体と一体化して利用できるスマートな外付キーボードを発売するという選択肢もあるでしょう。

そして、キーボードが搭載されたなら、初代iPhoneで欠点の一つと見なされている文字入力が一気に改善される事になり、既存のスマートフォンにとって非常に手強いライバルとなる事は間違いありません。
(ジョブズ氏が盛んにこき下ろしていたものが最終的に採用になった例は過去にいくつもあります)

次に、もう一つ将来予想されるものとして、iPhoneと同一OSを搭載したiPodが登場する可能性があります。ただでさえiPodが優勢な携帯音楽プレイヤーの市場に、フィンガータッチによる洗練されたインターフェースを採用し、iPhone用のソフトウェアと互換性を持った製品が登場したとすれば、劣勢を強いられている他社の音楽プレイヤーやメディアプレイヤーははたして生き残ることができるでしょうか?

そして、既存のiPodユーザがそのiPhone互換のiPodに徐々に移行していくとしたら、携帯電話や音楽プレイヤーという異なった製品ジャンルを横断して、大きな製品シェアを握ったモバイル製品が誕生する事になり、場合によってはマイクロソフトが圧倒的に優位なパソコン分野にまで影響が波及する可能性すらあります。
(将来iPhoneライクなタッチパネルを搭載したMacノートが登場した時の事を想像してください)

これまでバラバラだった点と点(製品群)が線(共通アーキテクチャー)でつながり、それがやがて巨大な面(シェア)を形成する、アップルは間違いなくこれと同じような、あるいはもっと壮大なビジョンを描いているであろうと想像するのは買いかぶりすぎでしょうか?

もちろん他社とて手をこまねいている訳ではなく、iPhoneに触発されて新しい製品を投入してくるでしょうし、アップルにとってバラ色の未来が待っているかどうかはわかりません。
しかし、ただの音楽プレイヤーにすぎなかったはずのiPodが巨大なシェアを握った事と、今回iPodから派生したiPhoneという新しい製品を投入した事で、アップルがモバイル製品市場において、いつでも他社に対して積極的な攻勢をかけられる有利なポジションを獲得したという事は間違いないでしょう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dgfreak.com/mt/mt-tb.cgi/781

コメントを投稿

広告スペース