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春のデジタル一眼エントリ機総評

アメリカでのカメライベントPMAが終わり、この春入手可能なデジタル一眼レフの新製品はすべて出そろったと思いますが(※)、今回発表になったエントリクラスの新製品について、独断と偏見で総評してみます。

(※)3月5日にオリンパスから「E-420」が発表になりました。

【始めに】

まず、各社のラインナップで特徴的な事は、昨年ニコンがD40・D40xのエントリクラス2台体制でシェア拡大に成功したのに触発されたのでしょう、各社そろってエントリクラスを高価格モデルと低価格モデルの2ラインにした事です。
この中でちょっと特殊なのがキヤノンで、普通ならば新機種Kiss X2の投入で、Kiss Digital Xは製造中止となる所ですが、当面併売する事で、2ラインの品揃えとしています。単一機種の売上ではトップを走ってきたKiss Digital Xならでは可能な選択です。

デジタル一眼レフ エントリモデルラインナップ

【死角のないキヤノンEOS Kiss X2】

今年も本命のキヤノンのEOS Kiss X2。最初リリースを読んだ時は、予想したよりも地味な印象を受けたのですが、こうして各社の製品が出そろってみれば、やはりエントリ機の中では、売上シェアトップの最有力候補です。スペック的にはこれといって隙が見あたりません。前モデルのKiss Digital Xから価格は据え置きながら、ライブビューを搭載した以外にも色々と改善を加え、エントリ機の中では最もオールマイティーな強さを感じる製品です。

【ちょっと地味?なニコンD60】

ニコンのD60は、ハード的には大きな変更がなく、特筆するようなことがありません。だからといって、これが売れないかというとそういう訳でもなく、従来のD40もD40xも派手さに欠ける機種でしたが、2機種合わせた売上はキヤノンのKissを上回り、ニコンのシェア躍進の原動力になったくらいですし、ニコンブランドの強さにはやはり侮れないものがあります。
基本スペックはD40xのそれを受け継いでいる訳ですし、派手さがなくスペック的に他社機に見劣りする部分があったとしても、一方で大きな欠点もないでしょうし、エントリクラスの高価格モデルの他社機9万円の価格ラインより1万5千円安い7万5千円の価格設定。この機種単独でのトップは難しくても、エントリ機トータルではシェアトップの地位を得る可能性は十分あります。

【持ってけドロボーのソニーα200】

ソニーからは、まずα200。前モデルのα100の欠点だったAF性能と高感度ノイズを改善していますが、それ以外の所ではα100と同等もしくは、コストダウンのために機能を省略している部分があり、その意味ではD60やK200D同様に地味な新機種なのですが、何よりも値段が安い!α100が10万円だった事を考えると、多少機能を省略しつつも欠点を改善してきた1000万画素/手ぶれ補整搭載機がボディのみ実売5万5千円前後でスタートというのは持ってけドロボー価格と言わざるをえません。他社の高価格モデルと比べても、それほどスペック的に見劣りする訳ではありませんし、それでいて発売後すこしの間辛抱すれば、レンズ込みで実売5万円台で買えるようになるだろう事を考えると、思わず衝動買いしてしまったとしても誰が責められるでしょうか?

【コロンブスの卵・ソニーα350】

ソニーのもう一機種のα350。ベースとなっているのはα200で、画素数を1440万画素にし、ライブビューを搭載したモデルです。ベースがα200であるだけに、基本スペック的には別に大したことのない機種であり、それどころか連写が2.5コマ/秒になるなどスペックダウンしている部分もあるくらいですが、この機種のライブビュー機能(注1)はやはりこの春最大の注目です。
この機種のライブビューの特長を簡単にまとめると、AFが高速で、動いているものにもピント合わせがしやすく、また、他社機に比べライブビューモードでのバッテリーの持ちが格段に良くなっています。その代わり、ライブビュー中の画面拡大が2倍止まり(注2)で、ファインダー視野率が低いという欠点はありますが、三脚でのマクロ撮影といった用途でなく、手持ち撮影でコンパクトデジカメ感覚で使う分には、角度調整可能な液晶ディスプレイと合わせて、非常に快適な操作が可能です。

注1)ライブビュー搭載のエントリ機はKiss X2/α350/E-510/E-410の4機種。
注2)この機種の場合、厳密には画面拡大でなくコンパクト機と同様のデジタルズーム機能。

【真面目さが裏目?のペンタックスK200D】

ペンタックスは、2006年発売のK100DとK10Dがそれぞれ魅力的な製品だったのですが、K100D Super以降?な感じです。今回のK200Dも、スペックをじっくりとチェックすれば、ペンタックスらしく真面目に作った製品だという事はわかるのですが、防塵防滴を採用するよりも、このクラスのカメラのターゲットにはむしろ軽量化を目指した製品のほうが好印象だったのでは?生来の真面目さが妙な方向に向いてしまっているのではないかという感じを受けます。キヤノンのKiss X2と同じ9万円の価格設定では、もう一つ何かアピールポイントがないと、苦戦しそうな印象です。


以上5機種がこの春登場するエントリ機で、やはりこの春もキヤノン・ニコンが強いだろうとは思いますが、今回はソニーから発売になる2機種がそれぞれに魅力的ですので、はたしてどこまで2強のシェアを突き崩す事ができるのか楽しみな所。2月15日のソニーα200発売を皮切りに、順次各社の新機種が発売され始め、3月からが戦い本番ですが、この春のシェア競争を勝ち抜くのはどのメーカーになるでしょうか?

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