一眼レフのデザイン
今日久しぶりに大阪梅田のヨドバシカメラに行き、この夏発表・発売になったデジタル一眼レフが勢揃いしている所を見てきました。夏休みは終わりましたが、運動会や秋の行楽などでカメラの需要の高い時期ですし、売り場も賑わっていました。
またPENTAXの新機種発表が間近という噂もあり、一方で、最大のカメライベント・フォトキナ2006も迫っていますので、各メーカーの動向から目が離せない所です。
新機種を一通り見て、感じたのはデザインの事です。私がデザインが美しいと思う一眼レフを選べと言われたなら、ミノルタのXDとキャノンのNew F-1を選ぶでしょう。共にフィルムカメラで、まだオートフォーカス搭載の一眼レフが一般化する前の、クラシックカメラという言葉を使ってもいいくらいの世代のカメラです。デザインの特長を言葉で表すなら、XDは優美、New F-1は精悍という言葉が似合う、共に高級腕時計にも通じる美しさを感じさせるカメラです。
一方で最近のデジタル一眼レフのデザインは、どうもあまり好きではありません。一つは機能が増えた分、どうしてもボタンが多くなってしまい、見た目がごちゃごちゃしてしまうのと、もう一つはきっと、技術が進歩して、デザイナーの「わがまま」が通るようになった事が、デザイン的にはマイナスに働いているのではないかという気がするのです。
昔はデザイナーがこんなデザインのものを作りたいと考えても、ボディの材質は金属中心で、加工・成型技術も低かったでしょうから、デザイナーは相当な妥協を強いられ、その制約の中で工夫をこらしたからこそ、それがデザインの美しさとして現れたのではないかという気がします。今は技術が進歩した分、デザイナーのああしたい、こうしたいという「欲」が比較的簡単に実現してしまい、それがデザイン上はむしろマイナスに働いているのではないでしょうか。もしそうなのだとしたら、この先私が美しいと思える新機種に出会うのはひょっとすると至難のことなのかもしれません。