ニコン

最上位機並のスペックで20万円台前半の「D300」と、フルサイズ搭載で50万円台の最上位機「D3」のコンビの投入はまさにサプライズでした。特にD300は、この価格でここまでのスペックを搭載してくるとは誰も予想していなかったのでは？
キヤノンユーザの中で、いつかは最上位機をと考えている人はたくさんいると思いますが、「この価格で最上位機スペックのD300、この価格でフルサイズの最上位機D3が買えるんだったら．．．」と動揺した人は少なくなかったのではないでしょうか？
年内の新機種はこれで打ち止めかもしれませんが、この先は下のランクの中級機・D80の後継機が控えているはずですし、フルサイズのD3を高画素化したバリエーションモデルの噂もあり、次はどのような製品を投入してくるのか、要注目です。

キヤノン

ニコンに話題をさらわれる形になりましたが、今回キヤノンが投入した中級機「EOS 40D」はコストパフォーマンス的にはすばらしいものです。D300が発表になった時に、どうして40Dを価格を上げてでももっと高性能にしなかったのかという批判もありましたが、ボディのみの店頭予想価格は15万円、実売は13万円程度で、上位機への買い替えを検討しているKissユーザにとって、それ程無理のない価格設定でしょうし、レンズキットでも実売15万円を切る水準ですので、「"Kiss"じゃ何だから、できれば最初からその上を」と考えているデジタル一眼入門者にとっても少し無理をすれば手の届く、まさにツボを押さえた価格設定でしょう。
Kissからのステップアップ製品として見た場合の唯一の難点は、Kissと比べるとはるかに大きく重い事。もうちょっと下のスペックでもいいから、その分小さく軽く安くして欲しいという人は少なからずいると思います。その点を除けば、中級機としては特にこれといったケチの付け所はありません。

ニコンのD300/D3の登場が、この製品の売上に直接及ぼす影響は、価格差から見てあまりないと思いますが、対抗上「EOS 5D」の後継機など、20万以上の価格帯の新モデル早期投入が望まれます。
(EOS-1Ds Mark IIIについては守備範囲外の価格の製品のため、論評省略）

ソニー

ソニー待望の2機種目「α700」は、先日も感想を書いた通り、製品の作りの良さはかなりのものです。７ナンバーを冠した過去の(コニカ）ミノルタ～ソニーの一眼レフの中で最上級の仕上がりといっても大げさではないでしょう。
ただ、やはりネックは価格。ライバル機のEOS 40Dと比べて「ほんの3万円」高いだけですが、"たかがカメラ"に10万円以上出すのは気がひける人にはこの3万円の差が致命的になりますし、2機種を比べた場合の性能は一長一短であって、αシンパの人やソニーファンの人以外に、プラス3万円の出費の意義を感じてもらうのはなかなか難しい。価格面での早期てこ入れが望まれます。

ソニーについては、エントリクラスの新機種(「α100」の後継機？)の動向も気になりますが、現在ソニースタイルではα100ボディ(黒)が入荷未定、それ以外のセット商品はすべて販売終了となっており、また、各販売店も完全に在庫処分体制に入っているように感じられます。一方でα700の発売開始は11月16日。これでは2か月間売るものが無いという異常事態になってしまうので、「次」のエントリ機がすぐ間近に控えているのではないでしょうか？
今週末15日には「Sony Dealer Convention 2007」という販売店(＋一般の招待客)向けの総合イベントが東京であります。α700が発表になってすぐに別の新製品が発表になるというのは不自然ですが、新製品をお披露目する場としてはふさわしい催しですし、上に書いたα100の在庫状況を絡めて考えると、このタイミングでサプライズの新機種発表という可能性が、ひょっとしてあるかもしれません。

その他

パナソニックからは「DMC-L10」が発表になりましたが、国内での発売はまだアナウンスされていません。チルト（角度調整）が自由に可能なライブビュー機能付き液晶を搭載した魅力的な製品ですが、基本スペックの割には価格が高そうなので、微妙な感じ。レンズ込みで10万以内なら、ヒット商品になる実力を秘めていると思うのですが。

オリンパスは「E-1後継機」の発表日のみがアナウンスされています。これもチルト可能なライブビュー液晶搭載のオリンパス最上位機となるはずですので、要注目です。